Voyanticが協業するのは主にRFIDテクノロジープロバイダーである。しかし、RAIN RFIDユーザーとも彼らの製品や彼らが直面する課題について定期的に話をすることがある。
- 読み取りエラー
- 電波特性の逸脱
- 時に不良となるタグやリーダー
- マイナーチェンジ後に全く機能しなくなるもの
- その他
RAIN RFIDへのアプローチにおける細かな技術的な問題には、特に継続的な改善の観点から対処方法によっては、大抵の場合は根本的な原因がある。時に(もしくはよく)RAIN RFIDは1度限りのITプロジェクトと見なされることがある。確かに初期導入時にはITプロジェクトであることが大半であるが、システムが使用される頃にはプロジェクトを完了とするだけでなく、関連する運営組織に移行して継続して改善していく必要がある。この点においては、RFID特有であると言える。
プロジェクトの実現段階では継続的な使用が想定されるべきであり、仕様を構築することが重要である:
- 次を含めたタグの選定
- パフォーマンス(特性)
- 品質
- タギング(タグ付け)
- リーダーの選定
自らのRAIN RFIDシステムに向けたタグの仕様を構築する
選定する際にはGS1 TIPPのような規格か、もしくは特性を指定できる他の方法を活用する。しかし残念ながら、タグやリーダーの型式を指定する場合が一般的となっている。RFIDのような急激に発展したテクノロジーにおいては、特定のコンポーネントを型式でシステムと紐付けることは長期的な目で見ると最適ではない。

タギング仕様の例:何が指定されているかが重要である。
この仕様が継続的改善の基礎となる。
継続的改善の構築と問題解決の実践
以下は、私がこれまでも共有したことのある継続的改善の概要である。RAIN RFIDを活用する上でどのような意味を持つのか、段階的にモデルを構築してみよう。
まずは基本となる:Do(する)、Measure(測定する)、Improve(改善する)のサイクル

これをRAIN RFIDの活用に置き換えると、下の図のように説明できる。仕様は継続的改善のサイクルにおける基礎となる。

次に詳細をいくつか追加してみよう:
この場合のOperation(運用)とはRFIDに関連する運用を示している。RAIN RFIDに関連した社内運用は、タグの読み取りと、場合によってはタグの書き込みである。製作もしくは購入決定に応じて商品にタグが付けられ、誰かがタグを生産する。これらすべてのアクションは仕様に基づいている:タグの要求事項は何か、商品にどのようにタグ付けするか、どのようにタグを読み取るか、ということである。

どんなシステムであっても長く使われていれば何かは変わる。このような変化は仕様の変化を反映しなければならない。
反動的に変化や問題に気付く:ユーザーが問題(棚卸しの際に読み取り不良が発生するなど)に気付き、正しい手順で問題を報告する。
能動的に変化を認識する:様々なチェック項目が存在する(例えばタグ付けした商品をランダムに検査する場合には、タグの検査や新たなタグのサプライヤーを評価するなど)
能動的なアプローチを行っている場合は、適した検査方式を採用することが必要となる。社内にRFIDテストラボを設置することが最適である。

プロジェクトの最中に継続的に改善を実行すれば、テクノロジーと投資を最大限活用することに役立てられる。開発を伴うRAIN RFIDソリューションをプロジェクト組織から運用に移すことは、長期に亘るRAIN RFIDの活用の成功を確実にするだろう。
もしRFIDの導入やRFIDラボの立ち上げについて質問や相談があれば、Voyanticにお問い合わせください。 オンラインデモの実演も可能です。
Original English blog text kindly translated by Mr. Masato Ueno from Altech Co., Ltd.